見わたせば花も紅葉もなかりけり
浦の苫屋の秋の夕暮れ By藤原定家。
鎌倉時代の歌じゃないけれど
何にもないよこの季節、って思うのは
やや早計。
花も紅葉もどころか葉っぱもなくなって
こざっぱりとした山にだってそれなりに
萌えどころはありすぎて
だから、横手市いこいの森なんかでも
その気になれば日が暮れるまで
ほっつき歩いてもまだ飽きないほどなのだ。
ということで、
この時期、11月下旬。
雪を待つばかりの里山で出会った、
マニアック目線の萌えキャラをご紹介。
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こちらツクバネ。
雌雄異株なので、実のあるこれは雌株だ。
この実を高く放り投げると
くるくると旋回しながら落ちてくる様が
ツボる人にはツボる。わたしはツボる。
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こちらはツクバネウツギ。もしかすれば
ウゴツクバネウツギかも。
同じツクバネだが、こちらはぐんと小さい。
全長3センチあるかないか程度。
さきほどのツクバネとセットで見つけると
マニア的にはちょっとときめく。
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雪が降ってもわりとしっかりと
形をとどめているドライフラワーは
ノリウツギ。アジサイ同様に
花びらに見えるのは虫を呼び込む看板の飾り花。
看板は、受粉が終わるとくるりと
下を向いてまさに看板を下ろしてしまう。
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実もあちこちにある。これは
クロミノイヌツゲ。実は毒ではないようですが
積極的に食べるほどには美味しくもないそうです。
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かわいいこちらはコマユミ。
名前もかわいい。けれど全草毒。
もちろん実も毒。タネが特に毒が強い。
鳥が食べるから人も大丈夫ではないのだ。
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おなじみツルアリドオシ。
冬も赤い実がポツンと残っている。
誰も食べないのかと思っていたら
はじめて、食べかけのこの実を見つけた。
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ツルアリドオシは、わりと里山などで、
ひんぱんに見かける。
見どころはこの実の二つのツノ。
このツノを眺めながら、通は
ああ、あの花のあの部分ねと
数ヶ月前の初夏に記憶を馳せる。
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ツルアリドオシの花。花の付け根、
二つの花がでているでしょう。
この部分が、秋には膨らんで赤くなって
花が落ちたなごりが二つのツノになって
残るわけだ。
通がツルアリドオシの赤い実に目を細めて
立ち止まっている時、
この部分を思い起こしているのだ。
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アズキナシの実。
花は白いかわいらしい、いかにも
バラ科といった花が咲く。
名前の由来はこの実の形がアズキに似ていて
食べると梨のような食感があるからとのこと。
食べてもさほど美味しくないようで
果実酒にするようです。
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この丸い葉っぱが目印のサルトリイバラ。
棘があるが、若い葉は食べられるそうで
この赤い実も食べられるとのこと。果実酒にも。
ぼんぼりのように丸くかたまって付く実が
絵になる、映える。
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見た目のまんまだがムラサキシキブ。
はっとするほど鮮やかな紫色。
実は食べられるそうだがさほど美味しくもないらしい。
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調査中。
誰か教えてください〜
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エゾユズリハ。黒ぐろと大きな実は
有毒なので味見などしないように。
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ぷらんと複数で垂れるのは
うーん、ウリハダカエデか。
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陣笠を被っているような冬芽は
リョウブ。笠に見えるのは
外れかけた芽鱗だ。
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リョウブの実。
リョウブは漢字で令法。救荒食として
昔飢饉に備えてこれを畑に植え、葉を貯蔵するように
官令が発せられたことに由来するとのこと。
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小さくてコロンとした
この冬芽はマルバアオダモ。
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マルバアオダモの花。
マルバ、とか言いながら葉っぱが
全然、丸くない件。
アオダモの仲間のくせに
葉っぱがギザギザじゃないから
マルバアオダモというらしい。
ギザがないからマルバって、
舵切りすぎ感。
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いかにも冬に向けて
支度してみました的なモフが
キタコブシ。
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なんと、あのゴージャスな
外套を脱いで着替えるようだ。
いいなあ、モフモフのアウター、
ワンシーズン中に買い替えなんて。
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いうまでもない、ホオノキ。
陽樹らしく、ひたすら上を目指すことに
全集中のその佇まい。
なんていうか、いちいちこの樹は
わかりやすい単純なところが
味わい深くて憎めない。
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やたらポジティブにしか見えないのが
クロモジ。
香りが爽やかで、木はしなやか。
よく、お茶席のお菓子を取り分ける箸や
楊枝に使われる。
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クロモジのポジティブな冬芽は
春になると何だかひと昔前の
アイドルの衣装っぽい姿で
春の陽気に浮かれている。
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たぶん、ハリギリ。
若芽はタラノメに似た感じで
食べられる。
ということは、
この冬芽があと半年すれば・・・。
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キブシの冬芽。
花の芽だ。キブシはかんざしみたいに
ぷらんぷらんと黄色い小さな花が咲く。
地味ながら、割と好きな花。
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コシアブラで間違いないでしょう。
半年後が楽しみだ。
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ガイド試験に出るやつ。
これはミズナラでしょうか?
コナラでしょうか?
見分けるポイントは葉柄。
これは葉柄がないのでミズナラ。
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足元を見れば、落ち葉のフレームに
葉っぱの秋の装いカラーが印象的。
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名前も知らないけれど。
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たまに菌類も。
ツチグリ。頭が凹んじゃってる。
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たまにコケ類も。
このお方、よく会うのだけれど
コケはよく分かりませんので。
勉強しときます。
ミズナラとツチグリの間の2枚の写真は、非対称の歪んだハート型の小葉からキバナイカリソウだと思います。