栗駒山へ産沼コースから裏かけ経由

栗駒山へ産沼コースから裏かけ経由

須川コース、現在硫化水素ガスの危険があり通行止めになっているが、令和四年秋から昭和湖付近まで通行できるようになるらしい。
ということで、ここ数年利用している産沼コースから栗駒山をめざした。
この産沼コース、途中の急登から笊森方面を振り返れば、なだらかな草原をつっきる裏かけコースが実に気持ちよさそうなのだ。
いつも気になっていた。
産沼から避難小屋方面へ向かう途中から、その裏かけコースに合流するやや強引な登山道があるので本日はそこを通るのが目的。

コースログはこちらYAMAPでどうぞ

いやなぜわたし今日ここにいるのか。

今日はわたし、女神山ご案内の予定なのに。
なのに。
思い切り天気判断を外してしまいました。
そこそこ山日和だったのに延期にしてしまいました。

10秒に一度は天気アプリと天気図を
チェックしまくるこの季節。
女神山延期判断してからも、寝てからも
くよくよと何度も天気チェックしながら夜が明ける。

するとどうだ。晴れてるよ。

わたしの心は土砂降りだよ。

お客さんにはほんとうに申し訳ないことをしてしまった。

心切り替えなければと
7月のご案内下見で栗駒山へ。

なにより、
今日の栗駒山の天気は荒れ模様だったので
今の私の気分にぴったりだ。
こんな天気判断大ハズしの日は、
雨に打たれ風にあおられなければ
やってられない。

ところがどうだろう晴れてきた。

あまたの天気予報よりも
推しの天気予報士矢澤つよぽんよりも
信じるべきは我が晴れ女力。

そうだよいつだって晴れてたじゃないか。

心を切り替えよう。
次のご案内の偵察だ。
須川温泉を9時30分ごろ出発。

名残が原はワタスゲがまっさかり。
よく来る栗駒山だがワタスゲに
タイミングが合ったのは今回が初だ。

硫化水素ガスで立ち入り禁止の
須川コースとの分岐点。
苔花台(たいかだい)。

小湿原を抜け、
P1232の小ピークの尾根を
乗っこしていく。
いつもドロドロの箇所には
丸太が渡されていた。

まだ桜が見頃でした。

三途の川を渡る。
水量は昨日の雨と雪解けシーズンに
かかわらず思ったほどではなく
難なく渡れた。

三途の川を渡れば
ここからしばらく急登だ。
四苦八苦坂なんて
ストイックな名前まで添えられる。

こんな道なのでこちらのコースは
しっかりとした登山靴を
おすすめしたい。

山頂はときどき暗雲に霞む。
風は予報ほどでもなく。
蒸し暑い日、むしろ風が有難い。

産沼到着。
まだ残雪。
そして縁の低木には
モリアオガエルの産卵がたくさん。

産沼を少し過ぎれば
避難小屋と山頂方面の分岐。
きょうは裏かけコース合流コースなので
避難小屋方面へ。

ヒナザクラの群落が見られる山腹は
まだまだ残雪。
緩やかだが、滑落注意だ。

ところで
裏かけコースへの登山道を
これまで見かけたことがなく
はたしてどこだろうと地形図を
よくよく見れば、沢にそうように
点線がついてある。

ここだ。
渡渉というより遡行だ。
登山道はなく、これではこれまで
気づかなかったわけだ。

わかりにくい道だが
ピンクテープがしっかりと
つけられてある。

しかし、下山で沢を降りるのは
コンディション次第では滑りそうだなあ。

雪庇崩壊跡らしき雪壁が圧巻。

うっそうとした笹ゾーン。
さすがに通る人もまれなので
熊鈴を取り出したよ。

笹ゾーンを過ぎれば看板がある。
登山口というのは、いわかがみ平の方だ。
秋田には帰れないので注意。

サラサドウダンが花盛り。
この先のあの残雪のところが
沢地形となっていて、滑落したくない場所。
スプーンカットの雪渓は
アイゼンを持たない登山者の
登山靴のエッジをかろうじて
食い込ませてくれるが
下山時にここを無事下れるか自信はない。

この時期ここを下山する方は
軽アイゼンをお勧めする。

傾斜の強い箇所を登り終えると
夏道がすぐだ。
ああ、きょうは適当なところで下山するつもりが
今の雪渓下りと取りつきの
沢すじの下りはちょっとヤダ。

山頂踏んで産沼コースを帰るしかなさそう。

雪解けまもない草原は
ヒナザクラとショウジョウバカマ、
イワカガミがお目覚め。

早く雪解けのあった箇所では
ヒナザクラが道沿いを白く埋め尽くし
イワカガミの紅が景色を締める。

テンションあがる。

振り返れば避難小屋。

東栗駒へ続くらしい登山道に合流した。
ここからの栗駒山、そういや
眺めるのは人生初じゃないか!おお。

シュッとしてなかなかかっこいいぞ。

あちらが東栗駒山か。
人がたくさんいる。
この界隈、秣からの天馬尾根が好きすぎて
やたらそっちばっかりだった。

今度は東栗駒へ足を伸ばしてみよう。
だがきょうはそんなテンションじゃない。
今日のわたしの行く道は
天気よみ誤りの懺悔坂。

反対側の産沼コースは低木の中の
急登を登る道だが、
こちらは草原の開放的な道。

なだらかな北面と、
崩壊が目立つ南面という
左右非対称な山容は厳しい冬が作った景観か。

まずこんな草原、
反対側のコースじゃないものな。

山頂きてしまった。
懺悔モードにふさわしい
アンニュイな景色にちょっとほっとする。
これで快晴だったら
天気よみ外しガイドへの皮肉がすぎるというものだ。

登山ガイドも3年目だ。
ここ最近、反省ばかりである。
神様にいろいろとお誓いをして
産沼コースを下りた。

それにしても
栗駒山のイワカガミの
紅っぷりには感心したよ。

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