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昨夜は水道が凍結予防のため
19時で閉められ、
それまでに翌日の水の支度を。
蛇口をひねれば水が出る。
山小屋にありながらありがたい。
とはいえ貴重な水。
ところが
どこぞの鈍臭いおっちゃんが
歯をみがきながらその間ずーっと
水道を出しっぱなしに遭遇。
下界でだって奥さんに
怒られるであろうに
ましてや山で。
翌日の下山中も、ヤブを
ショートカットする鈍臭そうな
おっちゃんがいて
地元の山男がいまいまそうに
その様子を毒づいていた。
人気山域でありがちな
こうした山のマナーを踏んづける
存在には毎度毎度
嫌な気持ちにさせられる。
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ゆうべはさすがに冷え込んだが
真冬の避難小屋からしたら天国だ。
あまり眠れないまま3:30に起床。
まだ同室の人たちは寝ているので
大きめのスタッフバックに
荷物をつめこんで、
部屋を出て、談話室へ。
早立ちの人1人2人が
朝ご飯の支度をしている。
ほとんどの人はまだ寝ている様子。
談話室でザックにパッキングし
身支度をして出発時間を待つ。
外に出ると、やや雲はあるが
星空が盛大に広がる。
下界の夜景も彼方に。
思ったより冷え込みもない。
4:30ごろ、ヘッデンつけて出発。
きょうは白馬岳山頂で
日の出を眺めて朝食をとり、
富山、新潟、長野の三県境のある
三国境、稜線をたどって
小蓮華山、船越ノ頭、そして
雷鳥坂をくだって白馬大池、
乗鞍岳、天狗原を経て栂池へ。
約10キロ、
下り1100mほどを昼過ぎごろまで。
のちロープウエイで一気に下界へ。
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冷え込みが弱いとはいえ晩秋の2900m。
風がでてきてさすがに寒い。
ツエルトをかぶって日の出を待つ。
暗がりのなか、ヘッデンの列が
杓子岳へ向かっていたり
小蓮華から白馬を目指していたり、
山の朝はとても早い。
白馬岳にも日の出が近づくにつれ
山荘から徐々に登山者が
登ってきた。
4:45、東の雲の隙間から朝日。
昨日見送った日が昇る。
白馬山頂は歓声があがる。
朝日は静かに空を紅色で満たして
闇に紛れていた山並みを浮き上がらせ、
光を送り始める。
彼方にどっしりとした三角は
どんな小さく遠くても
富士山だとすぐわかる。
剣岳、すぐそばの旭岳にも
朝日が渡っていくとこんどは
山並みに影白馬が立ち上がる。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/4-1.jpg)
2900mの世界は朝に包まれても
雲海の隙間に見える下界には
ちらちらと街明かりが見え隠れし
まだ夜に沈んでいる。
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朝日を受けた山々が美しすぎて
なかなか出発できない。
歩き出せば今度は行く先々が
美しすぎて足は幾度も止まる。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/4-3.jpg)
土地勘あまりなく
景色の名前には疎いながらも
馬の背と呼ばれるらしい稜線を
三国境へと進む。
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何度も振り返る。
まだ山頂に人が残る白馬岳と
その奥には剣岳。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/5-3.jpg)
あれが三国境だろうか。
稜線上に起立する頂がどれもこれも
かっこいい。朝日の陰影で
よけいにかっこよさが増すから
なかなか足が進まないのだった。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/5-4.jpg)
景色がきになって何度も
立ち止まったり振り返ったり
キョロキョロ忙しい。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/5-5.jpg)
三国境手前の二重山稜。
見事。
登山道は左側の山稜に。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/6-2-533x400.jpg)
三国境には雪倉岳への登山道が
合流する。
雪倉岳は日本二百名山に数えられる。
そのさらに奥へ進めば
三百名山の朝日岳だ。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/6-3-535x400.jpg)
あちら、鉢ヶ岳を経て雪倉岳へ。
雪倉岳へのルートは以前、
NHKの百名山でも
紹介されていた花のコースだ。
比較的人も少ないようなので
いずれ、行ってみたいものだ。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/7-2.jpg)
振り返ると絶景。
奥にキテイちゃんのシルエットが。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/7-3.jpg)
キティチャンシルエットは
鹿島槍とのこと。
さらにその奥のとんがったのは
あれこそが槍ヶ岳。
とんがっている頂が多くて
どれもこれも槍ヶ岳疑惑うずまく
北アルプス初心者のわたしの山旅。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/7-4.jpg)
道はガレてるので
景色に気をとらわれていると
ずるっと行きそうだ。
なのでとにかくしょっちゅう
立ち止まるので一向に進まないのだ。
奥に鹿島槍と槍ヶ岳と剣岳。
まるで東京に行って
芸能人に遭遇した気分だ。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/8.jpg)
さて前を向くか。
左右非対称の山稜の
奥に見えてくるのは
小蓮華山だろうか。
どこのピークも
人がいっぱいいるが
これだけ広く雄大だと
人の多さもさほど気にならない。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/9.jpg)
奥に大きな湖。
あれが白馬大池。
池か。でかい池だ。
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8:00、小蓮華山。
白馬岳出発が6:30だったので
ここまでゆっくりじっくり1時間30分。
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岩岩した登山道わきに、灌木が出てきた。
足元には、チングルマが赤く紅葉し
朝日に綿毛がきらめく。
日陰には霜柱も。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/11-2.jpg)
行手のピークは
船越ノ頭。2612m。
まだまだ鳥海山よりも高い場所にいるのだ。
まさに天空散歩。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/12.jpg)
船越ノ頭の山腹から、振り返る。
紅葉が山肌を染めている。
まだこれからかも。
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9時少し前に船越ノ頭。
特になにもない。
彼方の山並みも名のある山だろう。
全く知らぬ土地というのは
馴染みのある山の中にありながら
見知らぬ顔ばかりで
なんだかもどかしい。
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色彩豊かな景観となり
白馬大池が近い。
池の淵には累々と岩が重なり
ここは火口だったのかと気づく。
ここから雷鳥坂を下っていく。
途中、すれ違った男性から
雷鳥は見れましたかと聞かれた。
こうも晴れていては見られないだろうと
諦めていたが、聞けば今朝このへんで
見られたという。
その人はこのへんで雷鳥の
目撃調査をしているらしい。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/15.jpg)
山荘前で大休止。
朝ご飯がまだだ。
草紅葉のなかに小屋と
テントがカラフル。
たくさんの登山者が小屋前で
くつろいでいた。
栂池からここまでくる人も
多いようだ。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/16.jpg)
小屋前で朝ご飯としたが
裏にまわるとこんないい景色。
そして人もまばら。
こっちでくつろげばよかったなあ。
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草紅葉の向こうに下りてきた山。
景色がいちいち広い。大きい。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/19.jpg)
ここから乗鞍岳まで
池ほとりを岩道をいく。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/20.jpg)
すれ違いの難しい道。
景色もよくて進まない。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/21.jpg)
11時、大きなケルンが
だだっ広い山頂にあって
ここが乗鞍岳。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/22.jpg)
途中にあった面白い枯れ木。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/23.jpg)
下りはガレ場でとても
歩きにくかった。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/24.jpg)
しかも結構急だ。
コース検討の際に、
栂池からこのコースを
登りにしたほうが楽だろうと
考えたが、思いのほかこっちも
きつそうだ。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/25.jpg)
急斜面を下りて木道になれば
天狗平だ。
しばらく平坦な道となり
足がホッとしている。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/26.jpg)
ちょうど12時。
ベンチもあるのでここでランチに。
二日間の昼飯を忘れたので
たまたまザックにつっこんでいた、
フランスパンをここで食べ切る。
ほんと助かった。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/27.jpg)
天狗平から下っていく。
登山道は、南八幡平の登山道に
似た雰囲気で、足元は石がごろごろあり
ときどき急というものだ。
白馬も鹿島槍も五竜も遠くなった。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/28.jpg)
13時10分ごろ、
文明の世界へ戻ってきた。
さるなしソフトで
文明社会の恩恵を味わう。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/29.jpg)
てくてくとロープウエイ駅まで
車道を歩く。
山腹の樹木が白く綺麗だ。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/30-541x400.jpg)
13時20分ごろ
もっとゆっくりできるかと思ったら
ちょうど乗れたので
文明に乗っかって標高を下げていく。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/31.jpg)
さらば。
そしてここからゴンドラ駅へ
歩く。
![](https://bariko.jp/blog-yama/wp-content/uploads/2022/12/32.jpg)
ゴンドラでどんどん日常へ。
ゴンドラを降りるとすぐの
バス停で八方バスターミナルへ。
みみずくの湯でさっぱりして
秋田へ。
白馬村も散策したかった〜。
また今度!
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