2022年10月1日 白馬岳遠征2日目最終日

2022年10月1日 白馬岳遠征2日目最終日

昨夜は水道が凍結予防のため
19時で閉められ、
それまでに翌日の水の支度を。

蛇口をひねれば水が出る。
山小屋にありながらありがたい。
とはいえ貴重な水。
ところが
どこぞの鈍臭いおっちゃんが
歯をみがきながらその間ずーっと
水道を出しっぱなしに遭遇。
下界でだって奥さんに
怒られるであろうに
ましてや山で。

翌日の下山中も、ヤブを
ショートカットする鈍臭そうな
おっちゃんがいて
地元の山男がいまいまそうに
その様子を毒づいていた。

人気山域でありがちな
こうした山のマナーを踏んづける
存在には毎度毎度
嫌な気持ちにさせられる。

ゆうべはさすがに冷え込んだが
真冬の避難小屋からしたら天国だ。
あまり眠れないまま3:30に起床。

まだ同室の人たちは寝ているので
大きめのスタッフバックに
荷物をつめこんで、
部屋を出て、談話室へ。

早立ちの人1人2人が
朝ご飯の支度をしている。
ほとんどの人はまだ寝ている様子。

談話室でザックにパッキングし
身支度をして出発時間を待つ。
外に出ると、やや雲はあるが
星空が盛大に広がる。
下界の夜景も彼方に。
思ったより冷え込みもない。

4:30ごろ、ヘッデンつけて出発。
きょうは白馬岳山頂で
日の出を眺めて朝食をとり、
富山、新潟、長野の三県境のある
三国境、稜線をたどって
小蓮華山、船越ノ頭、そして
雷鳥坂をくだって白馬大池、
乗鞍岳、天狗原を経て栂池へ。

約10キロ、
下り1100mほどを昼過ぎごろまで。
のちロープウエイで一気に下界へ。

冷え込みが弱いとはいえ晩秋の2900m。
風がでてきてさすがに寒い。
ツエルトをかぶって日の出を待つ。

暗がりのなか、ヘッデンの列が
杓子岳へ向かっていたり
小蓮華から白馬を目指していたり、
山の朝はとても早い。

白馬岳にも日の出が近づくにつれ
山荘から徐々に登山者が
登ってきた。

4:45、東の雲の隙間から朝日。
昨日見送った日が昇る。
白馬山頂は歓声があがる。

朝日は静かに空を紅色で満たして
闇に紛れていた山並みを浮き上がらせ、
光を送り始める。
彼方にどっしりとした三角は
どんな小さく遠くても
富士山だとすぐわかる。

剣岳、すぐそばの旭岳にも
朝日が渡っていくとこんどは
山並みに影白馬が立ち上がる。

2900mの世界は朝に包まれても
雲海の隙間に見える下界には
ちらちらと街明かりが見え隠れし
まだ夜に沈んでいる。

朝日を受けた山々が美しすぎて
なかなか出発できない。
歩き出せば今度は行く先々が
美しすぎて足は幾度も止まる。

土地勘あまりなく
景色の名前には疎いながらも
馬の背と呼ばれるらしい稜線を
三国境へと進む。

何度も振り返る。
まだ山頂に人が残る白馬岳と
その奥には剣岳。

あれが三国境だろうか。
稜線上に起立する頂がどれもこれも
かっこいい。朝日の陰影で
よけいにかっこよさが増すから
なかなか足が進まないのだった。

景色がきになって何度も
立ち止まったり振り返ったり
キョロキョロ忙しい。

三国境手前の二重山稜。
見事。
登山道は左側の山稜に。

三国境には雪倉岳への登山道が
合流する。
雪倉岳は日本二百名山に数えられる。
そのさらに奥へ進めば
三百名山の朝日岳だ。

あちら、鉢ヶ岳を経て雪倉岳へ。
雪倉岳へのルートは以前、
NHKの百名山でも
紹介されていた花のコースだ。
比較的人も少ないようなので
いずれ、行ってみたいものだ。

振り返ると絶景。
奥にキテイちゃんのシルエットが。

キティチャンシルエットは
鹿島槍とのこと。
さらにその奥のとんがったのは
あれこそが槍ヶ岳。
とんがっている頂が多くて
どれもこれも槍ヶ岳疑惑うずまく
北アルプス初心者のわたしの山旅。

道はガレてるので
景色に気をとらわれていると
ずるっと行きそうだ。
なのでとにかくしょっちゅう
立ち止まるので一向に進まないのだ。

奥に鹿島槍と槍ヶ岳と剣岳。
まるで東京に行って
芸能人に遭遇した気分だ。

さて前を向くか。
左右非対称の山稜の
奥に見えてくるのは
小蓮華山だろうか。

どこのピークも
人がいっぱいいるが
これだけ広く雄大だと
人の多さもさほど気にならない。

奥に大きな湖。
あれが白馬大池。
池か。でかい池だ。

8:00、小蓮華山。
白馬岳出発が6:30だったので
ここまでゆっくりじっくり1時間30分。

岩岩した登山道わきに、灌木が出てきた。
足元には、チングルマが赤く紅葉し
朝日に綿毛がきらめく。
日陰には霜柱も。

行手のピークは
船越ノ頭。2612m。
まだまだ鳥海山よりも高い場所にいるのだ。
まさに天空散歩。

船越ノ頭の山腹から、振り返る。
紅葉が山肌を染めている。
まだこれからかも。

9時少し前に船越ノ頭。
特になにもない。
彼方の山並みも名のある山だろう。
全く知らぬ土地というのは
馴染みのある山の中にありながら
見知らぬ顔ばかりで
なんだかもどかしい。

色彩豊かな景観となり
白馬大池が近い。
池の淵には累々と岩が重なり
ここは火口だったのかと気づく。

ここから雷鳥坂を下っていく。
途中、すれ違った男性から
雷鳥は見れましたかと聞かれた。

こうも晴れていては見られないだろうと
諦めていたが、聞けば今朝このへんで
見られたという。
その人はこのへんで雷鳥の
目撃調査をしているらしい。

山荘前で大休止。
朝ご飯がまだだ。

草紅葉のなかに小屋と
テントがカラフル。
たくさんの登山者が小屋前で
くつろいでいた。

栂池からここまでくる人も
多いようだ。

小屋前で朝ご飯としたが
裏にまわるとこんないい景色。
そして人もまばら。
こっちでくつろげばよかったなあ。

草紅葉の向こうに下りてきた山。
景色がいちいち広い。大きい。

ここから乗鞍岳まで
池ほとりを岩道をいく。

すれ違いの難しい道。
景色もよくて進まない。

11時、大きなケルンが
だだっ広い山頂にあって
ここが乗鞍岳。

途中にあった面白い枯れ木。

下りはガレ場でとても
歩きにくかった。

しかも結構急だ。
コース検討の際に、
栂池からこのコースを
登りにしたほうが楽だろうと
考えたが、思いのほかこっちも
きつそうだ。

急斜面を下りて木道になれば
天狗平だ。
しばらく平坦な道となり
足がホッとしている。

ちょうど12時。
ベンチもあるのでここでランチに。
二日間の昼飯を忘れたので
たまたまザックにつっこんでいた、
フランスパンをここで食べ切る。
ほんと助かった。

天狗平から下っていく。
登山道は、南八幡平の登山道に
似た雰囲気で、足元は石がごろごろあり
ときどき急というものだ。

白馬も鹿島槍も五竜も遠くなった。

13時10分ごろ、
文明の世界へ戻ってきた。
さるなしソフトで
文明社会の恩恵を味わう。

てくてくとロープウエイ駅まで
車道を歩く。
山腹の樹木が白く綺麗だ。

13時20分ごろ
もっとゆっくりできるかと思ったら
ちょうど乗れたので
文明に乗っかって標高を下げていく。

さらば。
そしてここからゴンドラ駅へ
歩く。

ゴンドラでどんどん日常へ。
ゴンドラを降りるとすぐの
バス停で八方バスターミナルへ。

みみずくの湯でさっぱりして
秋田へ。
白馬村も散策したかった〜。
また今度!

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