
鳥海山にはいくつかの登山コースが整備されているが、
「百宅を登らずして鳥海山を語ることなかれ」
とまで言わしめる、その百宅コースを久々に登ってきた。
百宅は「ももやけ」と読む。
素晴らしいコースと讃えられるも、
標高差1400mというスペックになかなか足がむかず、
11年ぶりの登山口である。
夏も盛りを過ぎ、そわそわと
百宅コースのことを考えていた矢先、
矢留山岳会仲間のFさんからお誘いがあった。
本日はFさんを隊長に、矢留メンバーとの山行参加は初の
Sさんと私の3人の先鋭部隊である。

7時前に大清水(おしず)園地に集合。7時15分ごろ、
駐車場を出発。ちなみにアプローチの林道は、
未舗装ではあるが比較的状態は良い。
が、3~4箇所ほどえぐれている路面があり、
そこだけは車高が低い車は慎重を要する。
わたしのインプレッサはうっかり1回、
フロントバンパー下をこすった。

駐車場から300mほども歩けば大清水小屋。
キャンプサイトになっていて、水洗トイレ完備できれい。
そして、ふんだんに水が湧き出ている。
11年前に小屋があった場所には
ベンチとテーブルが2セット置かれ、
すっかり様変わりしていて、軽く驚いた。

鳥海山登山コースとしては人も少ないのだが
登山道は広く刈り払われていて歩きやすい。

期待通り、本日はキノコ日和。
タマゴタケの幼菌がお出迎えだ。
どぎつい色ながら食べられる。

そして真打ち、アカヤマドリ。でかい!

7時49分、五合目の大倉。
ここから大倉滝が遠望できる。遠目にもかなり大きな滝だ。

8時5分、外輪山が見えてくる。それにしても
外輪にある虫穴岩の存在感には改めて驚いた。
こんなによく見えるとは。

木道わきに、イワイチョウ。

そして登山道はリンドウ街道となっていて、すっかり秋めいていた。

8時28分、タッツラ坂。
祓川コースでは「タッチラ」だったような。
どちらにせよ、方言の発音は表記しにくい。
ちなみにタッツラというのはダケカンバのこと。

名前の通り、ダケカンバ街道となる。
そういえば本日、同じ矢留山岳会仲間のまっつが、
鉾立口から登っているのだとFさんから聞く。
じゃあ山頂で会うのかなと思ったら、
なんと彼は外輪からこちら百宅ルートを
下山してくるのだそうだ。
じゃあ、帰りはどうするんだろうかと思ったら
彼はそのまま登り返して、鉾立口に帰るのだと言う。
そろそろまっつと会うんじゃないかなあと、Fさん。

出た!まっつだ。元気そうだ。
同じ人間だとは思えないわ。

タバコを分けてほしかったFさんに構いもせず、
まっつは走り去っていった。

8時51分、屏風岩。
11年前に来たときは、ガスであまりよく見えなかった。
今日、全景をみることができて満足である。

気持ちのいい場所で、しかも
久々の登山にかなり私はバテバテだ。
いっそここで昼寝でもしていたいとすら思うほど、
大きな岩の上は、日差しに温められて気持ち良さそうだった。

正直、今日はかなりバテバテだった。
コースが長いからというよりは、久々の山歩きなので
いまひとつペースが掴めない。

タケシマランの見事な実。花はあんなに地味なのに。

9時26分、例のクマの脇を過ぎれば八合目の唐獅子平。
この右手に小屋がある。

小屋の中。

石油ストーブが二つ。そして噂のギター。

小屋脇の水場はこれか。
ほとんど水たまり状態で、煮沸前提で使える。

小屋前で休んでいると、まっつが登り返してきた。
タッツラ坂標柱までで折り返してきたそうだ。
Fさん、やっとタバコを貰って矢留山岳会不良中年之図。

さて、ひとしきり休憩したので出発だ。
元気なまっつはさっそうと先を行き、見えなくなり
また3人パーティーとなってのんびり登る。

トウチソウが見頃。

振り返れば、唐獅子平の避難小屋がかわいらしく見える。

そして、ブルーベリーが、ちらほらと出始めるあたり。

ブルーベリーと聞かされて登ってきたが
たぶんクロウスゴの実。甘酸っぱくておいしい。

10時30分、九合目の霧ケ平。
クロウスゴの実で元気が出て、ここから先はだいぶ体も楽になる。
最近になって今さら気づいた登りのコツだが、
呼吸と足の運びがいい具合に合うと、ラクになる。
これがいわゆる「ペース」というやつか。
どこまでもだらだらと登っていけそうになる。

山腹にはいつしか雲が集まりはじめる。
だがもう我々は雲の上にいる。

虫穴岩がひときわ大きく近い。
この先はガレ場になっていて、岩に矢印マークはあるものの
うっかりすると見落としそうだ。
ガスにまかれると、迷いそうな場所である。

11時22分、外輪に到着!
登りから開放された足が喜んでいる。
新山と、今日で今シーズンの営業終了の山頂小屋。
ちょうど神社の立て替え作業の真っ最中だ。
奥に日本海がきれいだ。

眼下は雲海となっている。

本日は新山は眺めるだけで、七高山まで。
緩やかに雲上散歩をすればすぐ、その山頂だ。
一足先に到着したまっつと3度目の再会を果たし、
大休止とする。

記念撮影。Sさん、初の七高山だ。
ここまでの道中、何度か心が折れそうだったそうで
感動もひとしお。

Sさんから、好物のシュークリームをいただき
コーヒータイム。乾いた体に、温かいコーヒーが染み渡る。

12時過ぎまでのんびりして、下山。
12時16分、新山を見納めて、再び百宅コースに下りていく。

標高が下がると間もなく、
山頂から眺めていた雲海の下に潜り込み、
日差しが遮られ、歩きやすい曇りの道となった。
チングルマの綿毛と奥にクロウスゴ。

14時50分、下山完了。
本日、このコースで会った登山者は2、3組ほど。
クレイジーなまっつとは3度も会ったが
静かで歩きやすいいいコースだった。




タッツラ=ダケカンバとは知りませんでした。
東北日本海側…音韻で通じたりもしますが奥深い。
唐獅子平小屋のギターもそのまま。
さては大きな蛾もそのままだったりして(*_*;
かつて故藤原優太郎氏が言っていましたね”百宅コース”は玄人好み・・だと!頑張れ!ばり子猫さん。いい山旅でしたね、楽しませていただきました。田中陽希みたいな”まっつ”さんもすばらしいヤングマンですね。
ヘビースモーカーの不良じじいでした。
Qさんおはようございます。
どひゃー。蛾がいたんですかー。
蛾が超超苦手な私にはショックすぎますわ。
山じい様おはようございます。
百宅は距離も長いぶん、どっぷりと鳥海山の魅力に
浸ることができますね。
根性があればまた歩きたいです。