2013年6月9日 風鞍(和賀薬師登山口から中ノ沢岳経由)

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甲分岐~中ノ沢岳~風鞍ログ

和賀薬師岳、大甲、甲を
ぐるっと縦走しようと思っていたが
この周辺の情報を収集しているうちに
真昼岳から和賀岳に至る縦走路があることを知った。
いつか縦走したいなと、本日は予定変更し、
甲分岐から中ノ沢岳、風鞍の稜線を辿って
黒森山の麓の林道に下りる
ぐるっと環状コースを辿って来た。
反省すべきは、情報収集が乏しかったことと
登山道が記された地形図を持っていなかったこと。
2010年現在の情報がアップされていて、そこには
やや笹が被ってきたが快適に歩けるとあったので、
地形図に登山道はなかったが、まあ行けるだろうと
気楽に考えて出発した。
和賀薬師登山口へ向かう真木渓谷沿いの林道を、
七瀬林道に入り、クルマ一台をデポ。
最近、黒森山(830m)ピークを踏んで
風鞍(1023m)に至る登山道が整備された。
それまでは、黒森山を巻いて
その鞍部から風鞍へ登る、
こちらの登山道がよく使われていたようだ。
今回は風鞍から下山してくるだけなので
黒森山を巻くこちらのルートで下山する。
黒森山口となっている登山口の手前、
ヘアピンカーブが地形図で確認できる。
そのヘアピンカーブは実際は
さらに奥へ伸びているので、突き進んで行くと
林道は二股に別れる。
向かって右側が風鞍登山口方面となる。
この日、どちらの林道が登山口に至るか不明だったので
この二股にクルマを置き、もう一台で
おなじみの和賀薬師登山口へ向かう。
前までは、
甘露水のある登山口までクルマが入って行けたが
2013年現在、かなり手前で通行止めとなっている。
ここには、広く駐車スペースが整備され、
きれいな小屋もあり中には水洗トイレもある。
8時40分。出発。
8時49分。10分ほどの林道歩きで甘露水に到着。
ここで水筒を満タンに。
いつ飲んでも柔らかなおいしい水。
甘露水をそのまま旧林道沿いに直進していけば、
甲分岐だ。
入り口こそうっそうとしているが、
入ってみれば踏み跡はしっかりしている。
間もなく左手に、10m少しの岩壁。
花のゲート。
甘露水から10分ほどで徒渉がある。結構な水量。
登山靴は滑りやすいので、注意が必要だ。
そしてまたすぐ、徒渉。
こちらは水量は少なく、難なく。
太くて立派なアイコ。
美味しいのだが、トゲトゲがびっしりあるので
気軽に採れない。
本日もヒラタケ。この下の倒木にはサワモタシ。
遠慮なく頂いて参ります。
ここはすずみ長根口までは、
旧林道を歩くことになる。
林道とはいえ、今ではかなり草も被り、
ちょっと広い登山道かな、という印象しかない。
くねくねと九十九折りに高度を上げる。
麓では夏日だが、山の中では
ようやくサクラが咲いたばかり。
奥には残雪がある。
タムシバ。
雨ではないのだが、
山域全体がしっとりと霧をまとっている。
動いていると暑いのだが、立ち止まると、冷える。
衣類もいつのまにか霧で湿っていた。
9時45分。すずみ長根口。ここで小休止。
エゾハルゼミとツツドリの声が
静かな霧の山に染み入る。
旧林道から逸れて、
ここからが本格的な登山道となる。
旧林道はこの先にも、伸びているので、
この倒れた標柱を見逃さないように注意が必要。
登山道に入ってすぐに立派なブナが聳える。
登山道は甲分岐からの尾根伝いに、
ときおり急登に汗を絞られながら
高度をあげていく。
マイヅルソウ、ツバメオモト、
オオイワカガミが見頃。
登山道は、ほぼ明確ではあるものの
雪解け間もない場所では
雪に潰された笹が登山道を隠している。
しかもこんな場所に限って、平たん地で、
ルートが分かりにくくなるので要注意。

10時35分、甲・中ノ沢分岐。
地形図に記されている登山道は、
2013年現在は甲山方面への道だけ。
ここから先、中ノ沢岳方面の登山道は記されていない。
ここで小休止して、ルート確認。
カタクリが咲いたばかり。
春へタイムスリップした気分だ。
エンレイソウも見頃。
さて、中ノ沢岳コースは稜線に上がるまで
こんな巻き道となる。
刈り払いしただけで、歩く人も少ないようで
あまり踏み固められておらず、足場は悪い。
分岐から歩きはじめて7分ほどで、ピンクテープ。
分岐になっていたが、右側の道をまっすぐ進む。
残雪で正規ルートが隠れていると、
左へ入ってしまうかもしれない。
案内板もなく、分かりにくいポイント。
10時52分。稜線に出る。
登山道は笹が被り、樹の枝が伸び、
しみじみマイナールート感。
それでもこのあたりは道は明瞭だ。
シダ街道を霧のなか、進む。
登山道脇には残雪。
まあまあ、踏み跡は分かる。
ただ、この先は
風鞍までピンクテープなどの目印は
いっさいない。
ひとたび残雪に登山道が飲まれると、
登山道を見失う。
そしてこんな場所は決まって、
だだっぴろい地形で、
視界もなく現在地の把握が困難。
残雪の広場を、登山道を探してうろうろ。
ぽっかりと行く手に開けた地面に
カタクリの群落があって、誘われて行ってみると
そこが登山道だった。
そして中ノ沢岳が近づくにつれ、登山道は本格的に
薮に埋没。
倒木があると、その先が分かりにくくなる。
薮。
行けども行けども薮。
笑うしかない。
道がなくなると楽しそうだと言われる。
11時45分。中ノ沢岳。1061m。
甲分岐から稜線に出て約1時間、
不明瞭なコースをかきわけてきた。
ピークという感動もないまま、写真だけ撮って先へ。
5分ほど行くと、朽ちた標柱があった。
見渡せば、高い木もなくなり
見晴らしのいい稜線なのだろう。
が、本日はガスで展望はなく。
笹を被った登山道は、足元が見えにくく
木の根があったり、あるいは切れ落ちていて、
足を置こうとする場所に地面がなかったりと、危険。
薮だけかと思えばたまに明瞭な登山道が
出てきたりする。
この先がどんな状況なのか、不安もあり
黙々と風鞍を目指して薮をかき分ける。
風鞍から先は、入山者が増えている情報もあり
また、整備もされて間もないようだ。
風鞍まで行けば、何とか無事下山できる目星が付く。
12時10分、途中で採ったタケノコで、カップラーメン。
採りたてはさすがにプリプリサクサクで
たまらなく美味しい。
こんなところに、
我々以外に入山してくる物好きもいないだろうと、
登山道の真ん中でランチタイム。
確かに、本日山中で出逢った生き物といえば、
登山道を暴走しているアナグマ。しかも2度。
あんまり人が歩かないから、獣道となりつつあるようだ。
ところでこの界隈は、オサバグサの群落が見られる。
オサバグサは日本特産で、
本州の中部地方、東北地方に見られ、
亜高山帯針葉樹林に生育する。
本日は、咲き始めたばかりのものや、
今を盛りと咲き誇るものなど
登山道脇を賑わしていた。
こちらはゴゼンタチバナ。
色調が絶妙で、
またその特徴的な葉と花の付き方が
なんというかシブくて、割と好きな高山植物。
カタクリ。風鞍への最後の登り、
登山道ど真ん中を埋めている。
この無防備な繁殖ぶりを見ても
いかにこのコースに、人が入らないかが分かる。
お次は登山道を埋め尽くす、オサバグサとスミレ。
この山域、登山道はアナグマと高山植物に
のっとられた様子。
風鞍直下は残雪があった。
13時40分。風鞍到着。
さっそくキリンフリーで咽を潤す。
新しくなったキリンフリー、おいしくなったので
最近リピ買い。
山頂直下にはシラネアオイ。
さて、風鞍山頂の標柱なのだが。
この標柱を取り巻く4方へ伸びた踏み跡と相まって、
とっても紛らわしい。
西へ伸びる広い道があるが、
これは途中で途絶える。ただの刈り払った跡。
本日の我々の進路は黒森口なのだが、
その登山道が記されていない地形図と
その降り口を示す標柱を見比べると、
とても不安になる。
北西にある黒森口に対し、
風鞍からの下山道は逆の南西へ向かう。
事前の情報収集が
乏しかった自分の落ち度でもあるのだが、
まだこのルートが、
地形図に記されていないとすれば
この標柱には、もう少し頑張って、
安心できる表記をしてもらいたいところだ。
ひとまず、南西へ向かう登山道に入り、
どこかで北西へ進路が変わらなければ
引き返すつもりで慎重に進んだ。
間もなく登山道は、北西へ向きを変えたので
やれやれとほっとして、
急斜面をぐんぐん下山した。
風鞍までの不明瞭な登山道とは、打って変わって
こちらはこまめにピンクテープが下がっており、
また
道も明瞭で不安な箇所はあまりない。
高度が下がるにつれ、霧地帯を抜けると、
初夏の日差しがブナ林に差し込んで来た。
エゾハルゼミの声もやさしく満ちてくる。
あれが、黒森山。830m。
今からピークを踏んで行く元気はない。
14時50分。分岐。
左へ進めば、黒森山ピークを越えて、黒森口に出る。
右に進めば黒森山の山腹を巻いて、林道に出る。
今日は右に進む。
急な登山道をぐんぐん高度を下げ、
5分もすれば、平坦な道に出る。
風鞍の標識。
下山者側に向いてしまっていた。
こちらのルートは荒れていると聞いたが、
倒木があるくらいで、さほどでもない。
最も、今日歩いた廃道に近い登山道からすれば
かなり上等な登山道だ。
15時。林道に出る。
ここは駐車スペースもあるので、
風鞍へダイレクトに登りたいときは
ここまで入ってくればいい。
それにしても残念なのは
甲山分岐から風鞍までの、
稜線にせっかく作られた登山道のありさまだ。
せっかく刈り払いしたのならば、
地元山岳会などとも協力して、年に何度か
あのコースを歩く企画を設けられないものか。
維持できないならば、いっそないほうがいい。
登山道があるからと、
不慣れな者があのコースに入ったら
ちょっと危険だと思う。
また、登山コースが記された地形図や
マップがないに等しい状況を考えれば
標柱はもっと分かりやすくして欲しいところだ。
とは言え、個人的にはとても興味深いコースだ。
一筆で縦走はできなくとも、
細切れにでもいいから、
女神から和賀までの縦走路を結んでみたい。

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