
先週に引き続き、軍沢岳の入山口にやってきた。
2013年の大鏑山のときもそうだったが、
この界隈はときどき山行欲を
やたらかき立ててくるものがある。
鏑三山(と勝手に命名)の
きれいな連なりを地形図で見た時
漠然と考えたのが、
この三山のトレースを繋げてみたいということだ。
特に大鏑、軍沢岳、神室山(鏑山)へと続く稜線は
とてもドラマチックなほどに美しく、
そしてナイフリッジ。
先週、軍沢岳山行で
この神室山へ続く稜線を目の当たりにしたものだから
頭から離れない、というより「行くぞ!」度急上昇だ。
よくよく地形図を眺めれば、
地形図に登山道が記載されていないから
忘れていたが、この稜線上にあるピーク1160は、
神室山への根ノ崎口からの夏道があり、
以前歩いたルートだ。
このピーク1160までだけでも行けば、
鉄砲平から軍沢岳、神室山のトレースが一本に繋がる。
ますます行きたいばかりだ。

調べると「裏神室山ルート」
「神室東稜」などと呼ばれて
積雪期に登っている記録がちらほらとあった。
いずれも神室小屋まで行き、
ピストンするかそのまま
役内集落へ抜けるかの一泊山行の記録。
気になるのは、一日目終盤にある
ナイフリッジ通過だ。
雪の付き方もさることながら、
一泊装備を背負って、
疲労が出始めるルート終盤でそのリスキーな
痩せ尾根を通過できるだろうか。
と不安があったので、
本日は偵察するために先週と同じく
軍沢岳登山の起点となる、
鬼首道路の駐車場にやってきた。
軍沢岳はスルーして、
先週下山に使った尾根からピーク1035に出て、
そこからタイムリミットを12時とし、
行けるところまで行ってみるつもりだ。
できればナイフリッジ手前、小ピークか
その次のピーク、夏
道のトレースがあるP1160まで行きたいところだ。
天気予報は土曜日昼頃から晴れ、日曜日は昼まで晴れ。
いっそ、土曜日に
ぶっつけ本番でアタックしようかとチラっと
よぎったが、そういう
イケイケなテンションを心の奥から
呼び止める声がするので、
大人しく今回は偵察と割り切った。

足回り。
山スキーも考えたが冷え込みから
想定するにワカンかアイゼンだろうということで。
7時21分、ワカン装着して入山。

本日一番の急登をなめていた。
マイナス7℃の気温に
雪は締まり、ワカンとストックでは厳しい。
ピッケルに持ち替える。
登り始めてしまったのでこの傾斜で
足回りをアイゼンに変えるのは厳しく、
ワカンでムリヤリ登る。
先行者のステップがあったのでなんとか登れた。

7時46分、尾根に上がる。やれやれ。
ここからはワカンのままで充分だろう。

昨日のトレース。結構賑わっていたようだ。

標高710mあたりからの急登を振り返る。
新雪が5センチから8センチほど積もった下は
ガチガチに締まった雪。
今さら履き替えるのが面倒なのと
先行ステップがあるのでワカンのまま登る。

8時56分、ピーク1035の雪庇が見えて来た。
先週に引き続き、
ボルダリングで痛めた股関節が痛みだし
途中で鎮痛剤を飲む。
仮に来週にでも本番アタックするとして、
一泊装備かついで
股関節大丈夫だろうかなど考える。
ま、来週のことは来週になりませんと分からないや。

雪庇越えは、ごらんの通り楽勝の模様。

9時。よっこらしょっと、尾根に体を上げて
目の前に登場した大将にI have no words!ですわ。
あまりの直球ど真ん中主役は俺だ級な
神室山の登場に驚いて
三回ぐらい、雪庇から引っ込んだり登ったりして
神室山の本物の主役の登場の流儀
というやつを存分に思い知らされてみた。
ピーク1035ドンピシャに登れば見られる
主役オンステージです。

神室山より小又山の方が
威厳があるなど散々言っていたのは
先週であるが、本日、
大将神室山の実力を見せつけられた。
素晴らしい眺めだ。

存分に景色を堪能したので、先へ向かう。
まずは軍沢岳からのピーク1154。
山形と秋田の県境を目指す。
ご覧の通り、
ここまでの高度差500mの急登から開放され
しばらくはなだらかなプロムナード。
雪も締まっていてつぼ足で充分だが、
ワカンを脱ぐのも面倒なので
このまま行く。

9時57分。一時間弱歩けばピーク1154。

軍沢岳方面に2人ほど人影が見えた。

1154から西へ進む。
小又と天狗も見えてくる。大将も。

本日のルートが一望できる。
神室連峰の展望山行を目的としても、
だいぶ満足度の高い
ルートだと思う。
これぞ神室連峰のどや顔を愛でるゴールデンルート。

1154からの下り。先行トレースはワカン。
昨日のものか? 2人分の足跡に見える。

ピーク1154から下りた鞍部。
先行トレースはずっと先まで伸びている。
この先に展望地があるようなのでそこまでか。
あるいは神室山アタックした人がいるか。

10時21分、鞍部からピーク1100付近へ。
奥のピークは三角点1115の手前にあるピーク。
1140mあるから三角点より高い。

予定では三角点手前ピークを巻いて行くつもりが、
気持ちよさげだったので、
巻かずにそのピークも踏んでみた。
振り返ると3つのピークの3ショット。
先程、軍沢岳にいた2人は
こちらには来ない様子。

10時36分、三角点1115.4m。
ここは神室の親分を眺めるための一等地で、
ここまで来るだけでも
だいぶもとが取れる気がする。
というか、ここまで来なきゃ!
というくらい激おすすめだ。

目指す稜線もだいぶ近付く。三角点を下るころには
先行するトレースは1人分になった。
戻りのトレースがないのを見れば
役内集落に抜けたのだろうか、
などと想像しつつ歩く。

小又山と天狗森の秀麗な頂。
その手前を横切るのが、根の崎口に伸びる夏道だ。
2013年8月に下山で使ったことがある。

三角点からの下り。150mぐらいくだっていけば
950mの鞍部に下りる。

11時10分、951m鞍部。
タイムリミットとした12時が近付く。
そしてできれば行きたいピーク1160も近付く。
そのピークを見て思わず「行ける」とぶやいていた。
見た感覚的には確かに12時までに行ける。

951鞍部から次の小ピークは思ったより傾斜があった。
アイゼンに履き替えるべきだったなと思いながら、
ワカンで登っていると
木立の奥に人影が現れた。
どうやらこの先行トレースの主さん。
神室山まで行ってきたとのこと。
私が予定している稜線は下山に使い、
アタックは別の尾根からと話してくれた。
前日、このピークにテント泊し
今日神室山に登ったそうだ。
昨日今日の天気を見てチャンス
とばかりに入山したとのこと。
たぶん、雪の状態からして
この週末が今シーズンのベストタイミングの
ラストだったろうなと思う。

11時30分ごろ、小ピークまで来た。
神室山が視界に迫る。天気は予報通り下り坂。
日焼けを心配させる太陽も高い雲に遮られた。

たぶん、タイムリミットの12時までピーク1160まで行けると思ったが、
途中のアップダウンと、手前からのリッジを眺め
今日の行程は予定通り、このピークまでとした。

日差しが陰り、
景色は急速にコントラストが失われる。
はい今日はここまでねと神室山に諭されて、
よし戻るかと気持ちを切り替えた。
帰りには足回りをアイゼンに履き替えた。
足は重くなるが安心感がまるで違う。
こりゃいいわ。

14時15分、
ピーク1035の尾根で本日はじめて腰を下ろす。
先週と同じ場所でコーヒーを淹れる。
じわりと美味しかった。
一人歩きのときは、
気持ちが急いてろくに休憩も取らないし
腹も空かない。体脂肪よ今こそ出番だ。である。

14時35分、ピーク1035の
雪庇を下りれば神室連峰ワールドは
視界の彼方へ。

15時10分下山完了。へとへとだ。
====コースタイム=======
7:21 入山
9:00 P1035
9:57 P1154(県境)
10:36 三角点P1115.4
11:30 951鞍部の次の小ピーク1020m
12:00 下山開始
13:44 P1154(県境)
14:10 P1035付近で小休止
14:30 下山再開
15:10 下山完了
=================
裏神室山から神室山ピストンの記録があり
何だか一日で、小屋まで入れそうだなと思ったが
実際、歩いてみてこりゃ無理だわと実感した。
一泊装備担いで、今日の行程を歩き通し
さらにそのまま
ナイフリッジ、核心部を通過という山行は
私にはできる気がしない。
本日、体調いまいちで体が重かったうえ、
股関節が痛かったというハンデはあったのも
事実だがこれを差し引いてもちょっと無理。
そしてできれば、
朝日を浴びて赤く染まる神室を見たい気もする。
なので、手前でテント泊が
私が組み立てる山行となりそうだ。
偵察に来て良かった。
他の人の記録を鵜呑みにして、小屋泊予定で
ぶっつけ本番アタックしてたらたぶん、
途中撤退だったと思う。
=====迷子のお知らせ========
ニコンのレンズキャップを保護しております。
心当たりのある方はご連絡を。

2016年3月13日、軍沢岳周回ルート
(と勝手に呼んでいる)の
ピーク1035がある尾根で保護しました。




偵察の様子、中々です。
テント・寝袋背負っては行動が鈍るから、
イグルー案はいかが? これからの絞雪なら、
1時間あれば造れるし、風の影響が無いから中は0℃。
敷物が完全ならダウンとローソク温度で耐えられる。
試すべし!!!
イグルー良さげですね。ああ私の女子力が霞んで行く。。。
小屋泊ができたら、シュラフも軽い方でいいかなと
思ってたのですが
テント泊となると荷物ふえるなあと億劫に思ってました。
まあ、イグルーやるかどうかはさておきまして。
楽しい選択肢ですね!
ばりこさん、初めまして。
いつもブログ、楽しく拝見させて頂いてます。
このコース、昨年4月に友人と歩きました。(友人がヤマレコに投稿してますが)
2日目、役内口に下山したのは根の崎口との合流手前のナイフリッジに雪がなく、トラバースしたものの危険と思い結局無理矢理ヤブを漕いで尾根に上がり通過しました。
翌日は晴れて気温も下がり、凍結した場合通過するのは危険と判断、無理せずパノラマコースに下山した訳です。
13日はパノラマコースピストンで私、神室山頂にいましたよ。
問題の箇所には雪があるように見えましたし、他の方のトレースが根の崎方面にありましたから通られた方いらしたんですね。
スリリングなコースでしたが、とても思い出深いコースです。
どうぞお気をつけて。
はじめまして。湯沢市在住のものです。このブログを見たのがきっかけで昨日、軍沢岳に行ってきました。残雪期の登山をしたことのない私にとってはすべてが初めての経験で、とても楽しいものになりました。一日中ニヤニヤが止まりませんでした(笑)神室山縦走、ご無理なさらずに楽しんで来てください。いつかどこかの山でお会いできるのを楽しみにしています!
YOSHIさん、おはようございます。
どちらの山行もヤマレコで拝見しておりました。
この季節、夏道コースのアプローチが遠そうで敬遠しておりましたが
良さそうですね。参考になります。ありがとうございます!
でくのぼうさん、おはようございます。
残雪期デビューおめでとうございます!
行動力がすばらしいですね。
残雪期は山歩きの世界を大きく広げてくれますね。
お互いに安全第一で楽しみましょう!