2016年7月日 山ガールのカメラ選び:α6300でピント合わせの件と撮像素子について。

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雨だし、マニアじゃない人の山カメラ選びについてまとめとく。

とりあえず今回は、

■私の山カメラ遍歴ざっと

一眼カメラを買った理由①さらばピント合わせのストレス

ピント合わせに便利な機能

ピント合わせの位置を設定する機能

カメラ選びでチェックするポイント①撮影素子

APS-Cと1/1.7センサーでの撮り比べ

以上を。

ついでにこの春に買ったSONYのα6300についてざっくりと

山ガール目線で語りつつ。

ミラーレス一眼カメラ。世界最速AF。軽い。撮像素子はAPS-C。

クラス最軽量α6000の後継モデル。

型落ちとなる6000が狙い目ではあったが、

こちらには6000にはなかった水準器が搭載となったのが、

新発売ほやほやの価格の垣根を越えて購入に至った大きな理由。

 

水準器と4K動画にこだわらなければ、今なら6000の方が

べらぼうにお買い得だ。あの軽さとあのスペックは賞賛ものだ。

ちなみに水準器というのは、撮影のときにカメラを

水平にできるように表示される目盛りである。

ただそれだけの機能なのだし、三分割補助線で代用もできるのだが

水準器がばしっと欲しかったのだ私は。

水平が甘い写真は落ち着かない。このあたりは人それぞれ。

 

α6300以外のカメラをざっと紹介。

今も持ち歩いているが、メイン機のリコーのGRデジタル。

コンデジでありながら、単焦点レンズ採用。撮像素子は1/1.7。

外観デザインは銀塩時代からずっと変わらないこの硬派スタイル。

ぶれないその在り方はもう惚れるしかない。

最強のスナップシューター。

撮りたい時にさっと撮れる機動性と画質の良さはノンストレスだ。

 

そしてこちらはオリンパスのμ-Tough。

防水カメラでそして頑丈。トリセツに「カメラの水洗いの仕方」が

あったのには驚かされた。沢登りや吹雪の日の山の相棒である。

土砂降りだろうが、シャワークライミングだろうが

躊躇なく取り出せるタフさはノンストレスだ。

 

以上が私の今の山カメラである。20代のころはまだデジカメもなく、

重たい一眼レフをぶら下げていた。ネックレスもつけない私が

カメラだけは毎日、首からぶら下げていたので重いという感覚もなく、

カメラというのはそういうものだったのだが、

デジカメ時代の到来を機会にコンデジに変えた。

ニコンのクールピクス。デザインがかわいくてテンションが上がる。

それだけの理由でデジカメ生活が始まり、今に至る。

 

■μToughにGRデジを買い足した理由

タフさにおいてノンストレスのμToughがありながら、

GRデジをヤフオクで競り落としたのは、μToughの動作の遅さに

ストレスがあったためである。

露出補正、マクロ切り替えなど頻繁に使うのだが

当時のμはこの動作がすこぶる遅い。せっかちな私はついつい余計に

ボタンを押してしまい、二度手間操作となり余計時間がかかる。

もっとサクサク動くカメラが欲しいと思ったのである。

 

そこで、リコーのGRという名機の存在を知った。

見た目、地味。その地味さが銀塩時代から受け継がれた外観という

歴史ある地味さだと知り、心が動かされた。

単焦点レンズへのこだわり、そして画質評価の良さと

優れた機動性。スペックを確認するほどにますます惚れた。

単焦点レンズということは、

ズーム機能をばっさり切り捨てたことを意味する。

広角気味の画角は、一瞬のシーンを逃さず写し取れる画角である。

その画角が気に入らなければ、撮影者が動けばいいのだ。

かっこいい割り切りではないか。

 

実際GRはセンサーサイズこそコンデジの1/1.7ではあるが

非球面レンズ2枚を含む6群8枚の単焦点レンズの性能と相まって

なかなかいい画質である。そりゃ、フルサイズなどには

及ばないにしても、山で求められるのは

第一に軽さと機動性だ。総合的にかなり充分である。

 

■GRデジにα6300を買い足した理由

GRデジはそのコンセプトといい、実力といい大好きだ。

だがしかし、唯一のストレスがピント合わせである。

 

たとえばこういう、ちっさいタケシマランの実を

単焦点レンズならではの背景ぼかしでかっこよく撮りたいなと

思ったとする。だが、たいていのコンデジは、こういう

被写体が苦手だ。奥のどうでもいい枯れ葉などに

ぴしっとピントが合うばかりで、なかなか目当てにフォーカスしない。

何度、もういい!と諦めたことか。

 

マニュアルでピント合わせをする機能もあるにはあるが

使いにくい。なので使ったためしがない。

私としては、レンズのリングを回してのピント合わせのように

シンプルな動作でさくっと合わせたいのだ。

 

ピントが合わないストレスがじわじわと累積し、

一眼が欲しくなり、しかし一眼は重いから山にはちょっとなと

思っていたところへ、クラス世界最軽量を謳うSONYのα6000が

目に止まったのだ。だが水準器がないのかと思っていたところへ

6300が発売になったのだ。

 

■さらばピント合わせのストレス:α6300のピント合わせ

爆速AF!とそのキャッチは踊るのだが、子どもだのアスリートだの

犬猫だの、頻繁に動き回る被写体は撮らないので

さほどAFの早さにはこだわらないが、早いことはいいことだ。

いずれ何かの役に立つだろうな。

α6300のフォーカス設定は5パターンあり、好みの設定ができる。

●シングルAF:ピントが合ったらピントを固定する。

●コンティニュアスAF:シャッター半押しの間、

 動き回る被写体にピントを合わせ続ける。動物や子ども、スポーツに。

●AF制御自動切り替え:シングルAFとコンティニュアスAFを

 被写体に合わせて自動で切り替える。

●DMF:オートフォーカスと手動フォーカスの組み合わせ。

 オートフォーカスした後で、画像拡大して手動でピントの微調整

 私はもっぱら、これ。便利。

●マニュアル:すべて手動。

 

DMF設定で、これまでピント合わせで抱えたストレスが見事に解決した。

AF機能自体、かなりびしっと決まるのだが

例えばF値3前後で被写界深度が浅い写真を撮るときなど、重宝する。

花なんか、雄しべ雌しべにピントを合わせたいときが多々あるが

このDMF設定なら、レンズのリングを回しての微調整ができる。

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■DMFをもっと便利にする機能

DMF設定を選んだら、MENUのカスタム設定で

MFアシストをオンにすると、ピント合わせの画面が拡大されるので

より精密にピント合わせができるので便利だ。

同時に同じくカスタム設定でピント拡大時間も設定する。

これは2秒、5秒、無制限から選ぶことができる。

レンズリングを回してピント合わせを行ったあと

何秒後に、拡大解除するかの時間設定だ。私は2秒に設定している。

 

これらの機能を使ってのピント合わせの流れは

1)シャッター半押しで被写体にオートフォーカス。

2)レンズのリングを動かすと被写体が拡大される。

3)レンズリングを回してピントを調整。

4)リングを止めて2秒で拡大画面解除。

5)撮影。

簡単だ。

F値を明るくしての撮影だと、ピントを合わせる位置が

シビアになるので背景ぼけ写真を撮りたい時や

人物の瞳にピント合わせしたいときなど重宝する。

ピント微調整が必要ないシーンでは、レンズリングを動かさなければ

通常のAF撮影ができる。

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■ピントを合わせる位置を選ぶ

MENUの撮影設定からフォーカスエリアで選択できるのが、

ピントを合わせる位置である。

私はほとんど中央に設定しているが、三脚に固定して

撮影のときなど中央でピント合わせてからカメラを振って

構図を決めるのが難しいときなどは、

このフレキシブルスポットMが重宝する。

ざっと6種類の設定を説明すれば、

●ワイド:モニター全体から自動でピント合わせしてくれる。

●ゾーン:縦に三分割したモニター位置から

     ピントを合わせたいゾーンを設定する。

     選んだゾーンの中で自動的に

              ピント合わせしてくれる。

●中央 :常に中央にあるものにピントを合わせる。

●フレキシブルスポット

    :モニターの好きな場所にピントの枠

              移動させることができる。

●拡張フレキシブルスポット

    :上記のフレキシブルスポットでピントが

              あわせられないとき

     その周辺にピントを合わせてくれる。

     ま、フレキシブルスポットの保険みたいな感じ?

●ロックオンAF

    :これはAF設定が

              AF-C(コンティニュアンス)のとき有効。

     つまり被写体をシャッター半押しでピントを合わせ、

     ロックオンして追尾したいとき設定すると便利。

     このとき被写体をロックオンするときに、

              どのフォーカスエリアからロックオンを開始するかの設定だ。

     この設定のみ小さく三角マークがあり、フォーカスエリアを

     選択して設定する。このエリアを選択するには

              コントロールホイールなどを左右に動かす。これで

              ロックオン開始のフォーカスエリアを選ぶことができる。

     私は使わないのでこの機能が便利かどうか不明。

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■撮影素子サイズについて

一昔前などカメラの性能のものさしに、ズームがあったっけ。

ズームが脅威の100倍!なんてキャッチが

こっぱずかしいほど堂々と謳われていたものだが

今時、このキャッチでカメラを選ぶ人もいまい。

しかし画素数の大きさを選択基準にする人はまだいそうだ。

私は画素数は全くチェックしない。

今どき、そのカメラ性能に満たないような画素数の製品など

ないだろうと思っているし、そもそも一般ユーザーならさほど

大きく引き伸す機会もないだろう。

 

通常240dpiもあれば充分かと思うが、仮に300dpiで

プリントアウトすると仮定し、理想的な画素数目安は以下となる。  

・・・ややハイスペック気味であるが。    

●L判  :160万画素ぐらい(240dpiなら105万画素)

●2L判 :350万画素ぐらい(240dpiなら225万画素)

●A4  :920万画素ぐらい(240dpiなら600万画素)

●A3  :1850万画素ぐらい(240dpiなら1200万画素)

ちなみにdpiとは1インチあたりに収まっているドット数のこと。

数字が高い程、緻密ということになる。

モニターでは72dpiが使われる。画像のdpiがどんなに高くても、

プリンターなどで1インチに出力できるドット数が

低ければ、オーバースペックとなってしまう。

 

では何で選ぶのかといえば、私は撮像素子を見る。

撮像素子は簡単にいえば、被写体の光をキャッチして

電気信号に変換する装置。

このサイズが大きい程、より多くの光を受け取ることができ、

早い話が画質が良くなる。

暗い時間帯でもきれいに撮れるし、コントラストがきつい場合も

白とびや黒つぶれが減り、滑らかな色調が写るなど

細部がより美しく写る。神は細部に宿ると言うが

まさにこの細部が決まると、ぐっと全体が際立つものだ。

 

撮像素子は簡単に、手持ちのカメラで比較すると以下の図になる。

フルサイズが、デジカメの一般的な最上位。

α6300はAPS-Cサイズで、中級機種の一般的なサイズだ。

GRは1/1.7でコンデジの一般的サイズ。新モデルのGR?は

APS-Cサイズが採用されている。かなり欲しい。

 

画質にこだわるならばフルサイズが一番なのだが、山用と考えると

問題となるのがその重さだ。本体だけで700g前後あるとして、

レンズもフルサイズ用は大きくて重い。

合計で水1リットル分にも匹敵するかそれ以上の重量となると

プロでもないのに画質に無限にこだわるわけにはいかなくなる。

その点、α6300は本体が361g。バッテリーとメモリ入れて404g。

レンズはSEL35F18で154gだ。合計で558g。

レンズをSEL20F28なら69g。合計で473g。

ビールより重いがまあ、許容範囲である。

重さ以外に重要なのはサイズで、いちいちザックに仕舞ったり

かといってずっと首からぶら下げるのも邪魔くさい。

薮こぎや、難所歩きの邪魔になる。

いつものウエストバッグに余裕で入るサイズ、それが私の条件で

α6300は充分にこれをクリアする。

 

これがα6000なら、本体の材質からして軽量で285g。

69gのレンズをつければ合計で354gで、

山歩きには贅沢なほどに軽量なスペックとなる。

これで水準器が搭載ならば、本当に私的には最強の山カメラだが。

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■APS-Cと1/1.7、実際に撮り比べてみた。

さほど撮り比べの意識もなく撮ったので、あまりフェアな比較ではないが

ざっくりと感覚的に実感するには充分かなと思う。

この春先の日没後、庭に咲いたシャクナゲをα6300と

GRデジタルで適当に撮ってみた。

どちらもA優先モード。

私はブログに使う画像は画素を落とすので、画面で見る限り

分かりにくいかもしれない点、ご了承願いたい。

 

こちらGR。F値4.0 、露出補正-1.0、シャッター速度1/32、

ISO500。

 

こちらα6300。F値5.0 、露出補正-0.7、シャッター速度1/60、

ISO2500。

正直、衝撃的だった。薄暗くなりはじめた頃合いの写真である。

写り込むことなど期待もしていなかった色彩の諧調が

想定外に緻密にきちんと写っている。

しかもこのISO感度で、このノイズの少なさ。

昔、天体写真を撮っていたのだが、

そのときに使うフィルムが感度800~1600ぐらい。

現像すると粒子が粗くて粗くて、普段使う気になれないものだった。

それが、この高感度でこんなにきれいに写るのかと

とても驚いてしまった。

 

花の部分だけアップ。

 

こちらGR。たぶん撮り比べなければGRの画質でも

私的には十分である。

なので、機動性と画質と軽さの三拍子揃ったGRは

今後も持ち続ける。何より、コンデジの撮像素子サイズだと

被写体に1センチ以上も寄ってのマクロ撮影ができる。

 

一方でα6300。

被写体の緻密な色彩の諧調が描写されるのは

思いがけず、かなり気持ちがはずむ。

「このコントラストでこの部分は潰れるな」とか、

「この色調は無理だな」とか無意識に諦めていた部分が

思ったように記録される、このカメラへの信頼感が

そのまま写す楽しさを押し上げるのだ。

 

次回はレンズと、その他便利な機能などレポします。

 

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