2017年4月22日~23日 大鏑山へ単独テント泊で(後編)

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もし大鏑山の山頂の雰囲気が良ければ
そこでテントを張ろうかと考えたが
やはりこちらのP1074のほうが素晴らしい。

なので15時7分、再びこのビューポイントへ。

天気予報でこの付近の標高1000Mの
風速を見れば、10m~11mとあるが
それほど風もない。

ふきっさらしの稜線ではあるが、
矮小ブナが数本立つ場所があったのでそこを寝床に選んだ。

 

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今回の山行のもうひとつのイベントは
このガチな女一人のソロテント泊だ。

単独山行でテント泊はしたことはあるが、
ここまで極端にマイナーな山域での
単独テント泊は初めてである。

 

夜、怖いだろうか。

率直なところそこが気になっていた。

3月にこのルートへ
テントを背負ってトライした時は、
一週間前から緊張して、食欲はなくなるわ
お腹は連日下しっぱなしで大変だった。

 

それでもこのルートは単独で歩きたかったので
怖くて死ぬことはない!と強引に
自分を説き伏せて挑んだのだが結局、
天候イマイチで撤退したのだった。

 

前回、さんざんナーバスになったせいか
今回は割と落ち着いて出発の日を迎えることができた。

どういう心理のカラクリか知らないが
前回の経験もムダではなかったなと考えると、
あの撤退も、極度の緊張も
ひとつの進展の形だったのだろう。

 

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日没は確か17時30分ごろだ。
まだ16時前だし今日の居住空間を作る時間は十分ある。

風はときおり強く吹く。

まずは本体にザックを入れて重しにし
ポールを差し込む。

 

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仕上げにフライシートを被せ、
割り箸で作ったペグで固定して完成。

トータル30分ぐらいか。
神室連峰の展望を楽しみながらの作業。

 

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傍らでは、今日明日の水作り。

新雪があったのでラッキー。

 

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忘れちゃならない、ビールもキンと。

定番のエビスシルクと、雪山で飲みたくなるコーラと。

 

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西から雲が広がり始め小雪がぱらつき始めたので
テントに入る。
正面は大鏑山だ。

 

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本日のメインの鍋は、メスティンにぎっちり
具材を詰め込んできたので、あとはこのまま
ガスにかけるだけ。

 

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予定では豚バラと白菜のミルフィーユ風鍋だったが
思いのほか白菜が高かったのでキャベツにし、
豚コマとマイタケを詰めてきた。

 

味は、具材からダシが出るだろうと特に
鍋の素を持って来なかったが、
期待程に彼らは仕事をしてくれず、
何とも微妙な味の鍋だった。

シメにおにぎりを入れてオジヤにして
炭水化物の摂取完了。

 

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ラジオは宮城のデートFM。

iPhoneにダウンロードしてきた映画を見ながら
ただ一人の山の夜が更けていく。

風がテントを揺らすが、
割り箸ペグがいい仕事をしてくれて不安もない。

 

気温はマイナス1度~2度。

今回、荷物を絞りたくいつもの#1のシュラフを
#2にして重さを半分以下にしたのだが
これが寒くて寒くて全く眠れない。

#2のコンフォート温度は0度だが
私には寒くてダメだった。

 

着れるものを全部着込んでも寒く
銀マットをシュラフに巻き付けても寒い。

結局一睡もしないまま
起床時間を迎えることになるが、
眠れなくとも横になっているだけで
疲労はだいぶ取れるものなのであまり気にならない。

 

それよりも、おかげで
夜中に満天の星空を見ることができてラッキーだった。

夕方に空を覆った雲は全て取れていて
足元から全天が星だった。

 

そんなわけで夜中、
怖いだろうかという当初の不安だが、
まったく怖さは感じなかった。

最高に気に入った展望地にテントを
張れたこともあり、とにかく楽しかった。

 

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4時の時報を聞き、どうせ眠れないので
早いが起きることにした。

湯を沸かしてコーヒーを。最高に旨い!

朝ご飯にラーメンを予定していたが
相変わらず食欲はないので、
おやつの蒸しパンとキンカンで朝食に。

 

5時16分、日も昇った。

大鏑山は朝日を受けているが
神室連峰には厚い雲がかかっている。

 

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フライシートは白く霜が張り付いている。

外に放置していたピッケルやスコップは、
雪から抜けないほどに凍っていたので
ポットの湯をかけてひっこぬいた。

 

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テントを畳んで6時7分。

朝日は差すものの、鉛色の雲があったり
青空が覗いたり、空は落ち着かない。

昨日の展望が効くうちに登頂して本当に
ラッキーだった。

 

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6時10分、下山開始。

P1074から昨日登ってきた稜線を眺め
ルートの作戦会議。

 

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昨日の薮漕ぎポイントだが、
薮の露出した稜線の
雪庇が落ちた後の状態を見れば
今朝の雪の締まり具合からして
雪道が使えそうに思えた。

 

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昨日とは比べ物にならないほど
雪が締まっていて、登山靴はまったく沈み込まない。

 

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亀裂があまりに恐ろしい場所は薮に逃げ込む。

 

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6時37分、当初のテント予定地。

今日は昨日よりも風もあり、
不気味な暗雲も空のフチにある。

予定通りここに一泊してこの天気だったら
果たして山頂アタックする気になれたろうか。

 

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昨日の薮ポイントも、
今日は雪庇ロードを使う判断ができたので
楽に通過できた。

 

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雪の具合が怪しいところからは薮に入る。

途中、今年初のショウジョウバカマ発見。
里山で見るより遥かに小さい。

 

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7時27分、県境尾根から鉄砲平へと小沢を渡る。
この沢を渡れば異世界から
自分の本来の世界に戻ってきた気分だ。

 

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鉄砲平では小雪が吹き始めた。

しかし空には青空があったりする。

 

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もうひとつ小沢を越えれば、
だいぶ安心できる世界に近づく。

 

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8時20分、宮城と秋田の県境稜線から
シンクロブナがある稜線へ下りていく。

ガスが一時的に尾根を渡る。

 

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鬼首トンネル上のピークを過ぎるころ
空には青空が戻ってきた。

風は相変わらず強い。

 

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さて、最後の難関の薮こぎ。

雪があるときと違い、視界が余計に悪い。
違う尾根を下りていきそうになり
直前で気づいてルート修正。

道路が近い。

 

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9時56分、トンネル脇に帰ってきた。

 

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帰りは、雄勝のほっと館でのんびりと湯に浸かり、
下山しようやく回復した食欲につきあって

湯沢で回転寿しを頬張り、
それでも飽き足らず、
十文字でラムレーズンサンデーを。

 

今シーズンの締めくくりに、
念願の大鏑山登頂と
そしてガチな1人テント泊が叶って
さながら自己ベスト更新でシーズン終了
と言ったところか。

嬉しすぎる春である。

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