2019年1月26日、27日 IDEHA雪崩事故防止講習会

2019年1月26日、27日 IDEHA雪崩事故防止講習会


実は先週の週末、一泊二日で
雪崩講習会中級クラスに参加してきた。
昨年も受講したが、今年も参加しさらには!
その翌週、つまりこの土日は
山形のIDEHA主催の雪崩事故防止講習会クラス3
参加してきた。2週連続である。

このクラス3というのは、その前に
雪崩の基礎的な知識を座学で学ぶクラス1と
ビーコンや積雪面観察などフィールドでの実技の
クラス2を受講してやっと受講できる講座。
クラス2までは、ビーコンで埋没者を
捜索する方法を学び、クラス3では
掘り起こした埋没者を搬出するまでの
方法をフィールドで学ぶ。

ビーコンって、持っていれば安心という人も
多いのだが、いざ仲間を捜索し救出するとなると
ある程度、訓練しておかないと
救出できる確率がぐんと下がるのだ。
まず、機種、個体によって結構クセがある。
このクセを把握しておかないと
捜索のときにかなり焦る。

そして救出までの時間は
かつては18分とか15分とか言われていたが
海外の最新の考え方では10分。
埋没から10分で、捜索し掘り出し、
必要な措置を取らなくてはならず、
10分を実現するためには
無駄な時間をばさばさとそぎ落とし
合理的に動く必要があるのだ。

しかもビーコンは、使う人が訓練して
ようやく機能するものと言っていいくらい、
すんなり捜索してくれない。まずそれに
愕然とさせられる。
だから私は毎年最低でも一回は
訓練しとかなきゃなと
雪崩講習会に参加するのだ。

じぶんが受講しても助かる確率が上がるのは
じぶんと一緒に行く人の方なんだよなと
参加者らと苦笑しながら。。。


会場は山形の最上。さすが雪がたっぷり。
目視で積雪の状況を把握。


弱層テスト。コンプレッションテストや
ECTテストなど、基本的な方法を。
いまだに円筒を腕で抱えての弱層テストを
見かけるが、今のやり方はこれらに更新されている。
これで、弱層がどこにあるかや
伝播などが把握できる。


あまりやらないが、
とても分かりやすいルッチブロックテスト。
実際にスキーヤーが乗る。


夜は夕食もそこそこに
9時まで搬送の仕方をレクチャー。
そして、その前知識として
南極から帰ったばかりのお医者さんによる、
救命のための基礎知識を。

これを知らないと、せっかく掘り出しても
何をしていいのかわからない。


急斜面での実際の掘り起こし。
ビーコンで示された場所を、プローブで特定させる。


掘り起こしたあとの引き上げも。
これは3分の1システムでの引き上げ。

チームを組んだり一人ずつだったりと
いろんなシチュエーションで捜索練習をした。
ビーコンの使い方になれるのと
もう一つ、課題だなと思ったのは
「組織的に動く」難しさ。

グループ、あるいは居合わせた他のグループで
組織を組んで捜索するときに、
お互いの信頼関係がないとなかなかこれができない。

ましてや、練習とはいえ早く埋没者を
探し当てたいモードになると
たいがいの人が他が見えなくなるようだ。

バラバラに捜索したときと
組織的に動いたときでの捜索スピードは
断然、後者が早いということは先週の岩手での
講習会で実際に試して実感できている。
これを実感した者同士での捜索は格段に
スピードが上がることも実感している。

同時に、これを実感として体験していない人と
チームを組むと、みんな頭では理解するが
いざとなると「俺が俺が」モード。

協力しあっての捜索なはずが、
我先にプローブでヒットさせたいとなって
「ファインサーチ入ります」宣言をした人を
押しのけてプローブを刺しに来るのには
閉口してしまった。。。

バーゲンのおばちゃん状態だ。いやおっちゃんか。

。。。。言いたいこと、言おうか。

2週連続、雪崩捜索の講習会をして
しみじみ思ったのは
冬山に一緒に入りたくない人って
こういう人だな、というのがわかった。

「俺」しか見えない人とは冬山は
一緒に行きたくないわ。
それと道具を雑に扱う人。
スリング、カラビナ、雪に直置きって

それ確実に無くすから!!!!!それにビーコンすら、
平気で手から離すのにはリスク管理の雑な人だなと、
こういう人とは雪山、怖い。

そしてもう一つ、女の人にとっては大事なことが、
女は信用されにくい。
これはガイド検定でも女子仲間で話したが
女は信用されにくいから
男以上に頑張らないと、お客さんを
不安にさせるね、ということ。

で、雪崩の現場では
練習でリーダー役をやると、まず
初対面の特にバックカントリー系の方々には
「女かよ」的な空気が流れる。
(そんな人は一部かとは思いますが・・・)
で、組織的な運営が難しくなる。
この場合、逆に彼ら男性には
協力をお願いする形を取るのが
女リーダーのワザのひとつかなと思った。

無理に威厳を保つ必要もないし
力のある男性には協力してもらいたいのが
本音だから、指示するというよりも
お願いする、という姿勢のほうが
絶対、うまくいく。お互いに。

などと取り留めのないことを書きましたが
自身の覚書までに。。。

その1:動機

その2:筆記試験

その3:筆記試験2

その4:筆記試験3

その5:筆記合格通知

その6:動機2

その7:無雪期ルートガイディング養成講座準備

その8:無雪期ルートガイディング養成講座

その9:安全管理技術検定にむけて1

その10:安全管理技術検定にむけて2

その11:安全管理技術検定にむけて3

その12:危急時対応技術講座@仙台

その13:資料はちゃんと読みましょう

その14:ファーストエイドキットについて

その15:とってもお得な雪崩講習講座ご案内

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